がん対策推進基本計画
【概要】がん対策推進基本計画とは?わかりやすく解説
【ひと言で簡単に説明】
がん対策推進基本計画とは、何ですか?
がん対策推進基本計画とは、簡単に言うと、『「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」ことを目標とする基本計画』です。
【重要ポイント3選】
【練習問題】
「がん対策推進基本計画(平成30年3月)」において推進されるべきとされている緩和ケアについて誤っているのはどれか。
医師国家試験 第116回 C-10 (2022/令和4)
- a:終末期になってから導入する。
- b:患者の家族に対する対応を含む。
- c:医療用麻薬に対する啓発を行う。
- d:精神主要医の役割についての記載がある。
- e:医師以外の医療従事者も緩和ケアに関わる。
- 解答を見る
-
- a:終末期になってから導入する。
- 誤り。
- b:患者の家族に対する対応を含む。
- 正しい。
- c:医療用麻薬に対する啓発を行う。
- 正しい。
- d:精神主要医の役割についての記載がある。
- 正しい。
- e:医師以外の医療従事者も緩和ケアに関わる。
- 正しい。
- a:終末期になってから導入する。
【具体例】イメージを掴む
- 科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実
~がんを知り、がんを予防する~について
・がんの1次予防
<がんの予防法>
喫煙:たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。
飲酒:飲酒をする場合は、節度のある飲酒をする。
食事:食事は、偏らずバランス良くとる。
身体活動:日常生活を活動的に過ごす。
体形:成人期での体重を適正な範囲で管理する。
感染:肝炎ウイルスの検査を受け、感染している場合は専門医に相談する。機会があれば、ヘリコバクター・ピロリの検査を受ける。
・がんの早期発見及びがん検診(2次予防)
- 患者本位のがん医療の実現
~適切な医療を受けられる体制を充実させる~について
・がんゲノム医療
・がんの手術療法、放射線療法、薬物療法及び免疫療法の充実
・チーム医療の推進
・がんのリハビリテーション
・支持療法の推進
・希少がん及び難治性がん対策(それぞれのがんの特性に応じた対策)
・小児がん、AYA世代のがん及び高齢者のがん対策
・病理診断
・がん登録
・医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組
- 尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築
~がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現する~について
・がんと診断された時からの緩和ケアの推進
・相談支援及び情報提供
・社会連携に基づくがん対策・がん患者支援
・がん患者等の就労を含めた社会的な問題(サバイバーシップ支援)
・ライフステージに応じたがん対策
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【解説】詳しい説明でしっかり理解
がん対策推進基本計画の変遷
- 2007.4「がん対策基本法」
- 2007.6「第1期 がん対策推進基本計画」策定
- 2012.4「第2期 がん対策推進基本計画」策定
- 2017.4「第3期 がん対策推進基本計画」策定
第1期
平成 18(2006)年6月には、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策基本法(平成 18 年法律第 98 号。以下「法」という。)が成立し、平成 19(2007)年4月に施行されました。また、同年6月には、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、第1期の「がん対策推進基本計画(以下「基本計画」という。)」が策定されました。
第3期
第3期にあたるがん対策推進基本計画は、平成 29(2017)年度から平成 34(2022)年度までの6年程度を一つの目安として定めています。また、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」ことを目標としています。具体的には、「がん予防」、「がん医療の充実」及び「がんとの共生」を3つの柱とし、以下の3つを全体目標として設定しています。
3つの目標
1. 科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実
~がんを知り、がんを予防する~
2. 患者本位のがん医療の実現
~適切な医療を受けられる体制を充実させる~
3. 尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築
~がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現する~
これらの目標を達成することで、がん患者を含めた国民が、がんの克服を目指し、がんに関する正しい知識を持ち、避けられるがんを防ぐことや、様々ながんの病態に応じて、いつでもどこに居ても、安心かつ納得できるがん医療や支援を受け、尊厳を持って暮らしていくことを目指しています。
【データ】数値で現状を確認
令和3年度がん死亡者数は約38万人
【定義】
- タップで確認
-
厚生労働省 がん対策推進基本計画 紹介ページ
がん対策基本法(平成18年法律第98号)に基づき策定するものであり、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の基本的方向について定めるとともに、都道府県がん対策推進計画の基本となるもの
【Q&A】がん対策推進基本計画に関するよくある疑問・質問まとめ【FAQ】
【関連キーワード】
【参考サイト】
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000196975.pdf
【ドラマ・漫画】
【国試対策】国家試験の過去問解説
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医師国家試験
「がん対策推進基本計画(平成30年3月)」において推進されるべきとされている緩和ケアについて誤っているのはどれか。
医師国家試験 第116回 C-10 (2022/令和4)
- a:終末期になってから導入する。
- b:患者の家族に対する対応を含む。
- c:医療用麻薬に対する啓発を行う。
- d:精神主要医の役割についての記載がある。
- e:医師以外の医療従事者も緩和ケアに関わる。
- 解答を見る
-
- a:終末期になってから導入する。
- 誤り。
- b:患者の家族に対する対応を含む。
- 正しい。
- c:医療用麻薬に対する啓発を行う。
- 正しい。
- d:精神主要医の役割についての記載がある。
- 正しい。
- e:医師以外の医療従事者も緩和ケアに関わる。
- 正しい。
- a:終末期になってから導入する。
看護師国家試験
【改題】がん対策基本法で定められているのはどれか、2つ選べ。
看護師国家試験 第105回 PM-034 (2016/平成28)
- 受動喫煙のない職場を実現する。
- がんによる死亡者の減少を目標とする。
- 都道府県がん対策推進計画を策定する。
- がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。
- 解答を見る
-
第105回が実施された2015年度は、法律改正も行われました。そのため、「がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。」も正解となるため改題としました。
全ての選択肢が正しいことを言っており、その内容が書かれているのは「条文か?」「計画か?」という分け方になっており、正直意地悪な問題だと思いました。解けなくて大丈夫です。
- 受動喫煙のない職場を実現する。
- 誤り。
- 「法律の条文」ではなく「がん対策推進基本計画」の中に記載されています。
- がんによる死亡者の減少を目標とする。
- 誤り。
- 「法律の条文」ではなく「がん対策推進基本計画」の中に記載されています。
- 都道府県がん対策推進計画を策定する。
- 正しい。
- がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。
- 正しい。
- 受動喫煙のない職場を実現する。
がん対策基本法において「疼痛に関する早期からの緩和ケア」が含まれている基本施策はどれか。
看護師国家試験 第101回 PM-038 (2012/平成24)
- 予防の推進
- 早期発見の推進
- 研究の推進等
- がん医療の均てん化の促進等
- 解答を見る
-
- 予防の推進
- 誤り。
- 早期発見の推進
- 誤り。
- 研究の推進等
- 誤り。
- がん医療の均てん化の促進等
- 正しい。
- 予防の推進
がん対策基本法の基本施策はどれか。
看護師国家試験 第100回 PM-015 (2011/平成23)
- がん予防の推進
- がん治療の無償化
- 特定地域への医療設備の集中
- 医療者の意向を優先した治療方法の決定
- 解答を見る
-
- がん予防の推進
- 正しい。
- がん治療の無償化
- 誤り。
- 特定地域への医療設備の集中
- 誤り。
- 医療者の意向を優先した治療方法の決定
- 誤り。
- がん予防の推進
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