救急医療
【概要】救急医療とは?わかりやすく解説
【ひと言で簡単に説明】
救急医療とは、何ですか?
救急医療とは、簡単に言うと、「今すぐに治療すべき患者さんに提供される医療」です。
【重要ポイント3選】
【練習問題】
救急医療体制とその内容の組合せで正しいのはどれか。
看護師国家試験 第103回 AM-038 (2014/平成26)
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
- 2:第2次救急医療体制・・・高度の診療機能を持つ24時間救命救急センター
- 3:第3次救急医療体制・・・在宅当番制
- 4:広域救急患者搬送体制・・・へき地巡回診療車
- 解答を見る
-
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
- 正しい。
- 2:第2次救急医療体制・・・高度の診療機能を持つ24時間救命救急センター
- 誤り。
- 3:第3次救急医療体制・・・在宅当番制
- 誤り。
- 4:広域救急患者搬送体制・・・へき地巡回診療車
- 誤り。
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
【具体例】イメージを掴む
救急患者の迅速な受け入れ、トリアージの実施、都民の理解と参画
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【解説】詳しい説明でしっかり理解
救急医療とは、救急患者の重症度に応じて、医療機関同士で連携しながら救命を図る医療提供体制のことです。医療機関ごとに一次、二次、三次救急と機能分化されています。
一次救急
一次救急は、比較的軽症で外来診察で対応可能な患者。二次救急は、入院治療を必要とする重症な患者。三次救急は、重症で複数の診療科領域にわたる重篤な患者を対象としています。
一次救急医療として、在宅当番医制、休日夜間急患センターがあり、地域医師会の協力の元運営されています。
二次救急
二次救急として、病院群輪番制病院、共同利用型病院があります。主に、救急告示病院がその役割を担っています。病院群輪番制とは、要はローテーション方式に、曜日毎に地域で救急を担当する病院を決めるという仕組みです。共同利用型病院とは、地域にある特定の救急設備担当の拠点病院を意味しており、救急ができる設備を持つ病院が少ない地域にのみ存在します。この病院で救急を担当する医療スタッフ自体は、周囲の病院と連携することで、持ち回りで医療を行なっています。
三次救急
三次救急として、救命救急センター(高度救命センターを含む)、ドクターヘリがあります。二次救急では対処できないような重篤な患者への救命措置行なっています。救急救命センターは都道府県によって指定されています。ただし、実際に三次救急の対象となる患者は、全救急患者の5%未満と言われています。
一次、二次、三次と用語が医療圏と似ていますが、両者に関係は全くないので注意してください。
また、救急病院での医療提供体制維持に係るコストの観点から、近年では救急指定病院数は減少傾向にあります。
【データ】数値で現状を確認
平成30年現在
・一次救急
在宅当番医制:625地区
休日夜間急患センター:575ヶ所
・二次救急
病院群輪番制病院:421地区、2851 ヶ所
共同利用型病院:22ヶ所
・三次救急
救急救命センター:291ヶ所(このうち、高度救命センターは42ヶ所)
ドクターヘリ:53ヶ所
【定義】
- タップで確認
-
救急患者とは、通常の診療時間外の傷病者及び緊急的に医療を必要とする傷病者をいい、これらの救急患者に対し、医療を提供する医療機関を救急医療機関という。
「救急医療体制基本問題検討会」報告書(平成9年12月)
【Q&A】救急医療に関するよくある疑問・質問まとめ【FAQ】
- 一次救急と初期救急って同じ意味ですか?
- 救急告示病院とは何ですか?なるメリットは何かあるのですか?
【関連キーワード】
【参考サイト】
【ドラマ・漫画】
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医師国家試験
地域医療支援病院について正しいのはどれか。2つ選べ。
医師国家試験 第114回 F-31 (2020/令和2)
- a:厚生労働大臣が承認する。
- b:救急医療の提供能力を有する。
- c:400床以上の病床が必要である。
- d:かかりつけ医を支援する能力を有する。
- e:三次医療圏ごとに1施設の設置が目標である。
- 解答を見る
-
- a:厚生労働大臣が承認する。
- 誤り。
- 都道府県知事である。
- b:救急医療の提供能力を有する。
- 正しい。
- 紹介患者の治療も担う。
- c:400床以上の病床が必要である。
- 誤り。
- 200床以上である。
- d:かかりつけ医を支援する能力を有する。
- 正しい。
- e:三次医療圏ごとに1施設の設置が目標である。
- 誤り。
- 二次医療圏である。
- a:厚生労働大臣が承認する。
- 詳細解説
-
「特定機能病院」と「地域医療支援病院」の違いを理解しているかが試されています。
- a:厚生労働大臣が承認する。
- 誤り。
- 「厚生労働大臣が承認する。 」のは、地域医療支援病院ではなく特定機能病院です。地域医療支援病院を承認するのは「都道府県知事」です。
- b:救急医療の提供能力を有する。
- 正しい。
- 「救急車の受け入れ」と「紹介患者の治療」が主な役割です。皆さんの町でよく救急車が入っていく病院があれば、きっと地域医療支援病院です。一度住んでいる町の地域医療支援病院を調べてみるとイメージが掴みやすです。
- c:400床以上の病床が必要である。
- 誤り。
- 「400床以上の病床が必要である。 」のは、地域医療支援病院ではなく「特定機能病院」です。地域医療支援病院の要件は200床以上です。
- ちなみにこの200床については、病床の種類は問いません。つまり、一般病床・療養病床・精神病床・結核病床・感染症病床の合計が200床あればOKです。言い換えると、許可病床200床以上です。少しややこしいですが、診療報酬では「一般病床200床以上の地域医療支援病院」のような言い回しが登場します。「え?地域医療支援病院はそもそも200床あるのでは?」と思いがちですが、よくよく見ると「許可病床」ではなく「一般病床」です。この場合、「一般病床180床」+「療養病床20床」=「許可病床200床」のような地域医療支援病院は、対象外となります。
- d:かかりつけ医を支援する能力を有する。
- 正しい。
- 「救急車の受け入れ」と「紹介患者の治療」が主な役割です。
- 「かかりつけ医」は、街中のクリニックや小規模病院の外来担当の勤務医等を指します。そこでは対応できないような検査や手術、薬物治療などを地域医療支援病院が担当します。まさに、かかりつけ医の支援です。この時、「クリニック等→地域医療支援病院」への流れを「紹介」と言い、治療がひと段落して「地域医療支援病院→クリニック等」へ患者さんをお返しする流れを「逆紹介」と言います。なお、「紹介・逆紹介」はこの例に限らず、医療機関同士の患者さんの流れとして、一般的によく使われる言い回しです。
- e:三次医療圏ごとに1施設の設置が目標である。
- 誤り。
- 「三次医療圏ごとに1施設の設置が目標である。」ではありません。「二次医療圏」であれば正解と言えます。
- 令和4年9月時点で地域医療支援病院は685病院あり、二次医療圏は335あります。多くの二次医療圏には地域医療支援病院がありますが、例えば沖縄県の「宮古二次医療圏(宮古島市・多良間村)」には地域医療支援病院はありません。三次医療圏とは、基本的には都道府県そのもので、唯一北海道だけ広大すぎるため6つの三次医療圏に別れています。つまり「46+6=52」の三次医療圏があり、三次医療圏ごとに1つというのは規模が大きすぎる話になります。ドクターヘリの配備がちょうどそのくらいの規模になります。
- a:厚生労働大臣が承認する。
へき地医療について正しいのはどれか。
医師国家試験 第113回 C-06 (2019/令和1)
- a:へき地医療支援機構は市町村ごとに設置する。
- b:へき地医療診療所は一次医療圏毎に設置されている。
- c:へき地保健医療計画は地域医療支援病院が策定する。
- d:へき地医療拠点病院は代診医派遣の役割を担っている。
- e:へき地巡回診療車は地域の救命救急センターから派遣される。
- 解答を見る
-
- a:へき地医療支援機構は市町村ごとに設置する。
- 誤り。
- b:へき地医療診療所は一次医療圏毎に設置されている。
- 誤り。
- c:へき地保健医療計画は地域医療支援病院が策定する。
- 誤り。
- d:へき地医療拠点病院は代診医派遣の役割を担っている。
- 正しい。
- e:へき地巡回診療車は地域の救命救急センターから派遣される。
- 誤り。
- a:へき地医療支援機構は市町村ごとに設置する。
地域におけるヘルスプロモーションの例として最も適切なのはどれか。
医師国家試験 第112回 F-06 (2018/平成30)
- a:安全にウォーキングが行える歩道の整備
- b:救急医療機関への搬送体制の構築
- c:移植医療を行う医療機関の設置
- d:特別養護老人ホームの設置
- e:緩和ケア病棟の設置
- 解答を見る
-
- a:安全にウォーキングが行える歩道の整備
- 正しい。
- b:救急医療機関への搬送体制の構築
- 誤り。
- c:移植医療を行う医療機関の設置
- 誤り。
- d:特別養護老人ホームの設置
- 誤り。
- e:緩和ケア病棟の設置
- 誤り。
- a:安全にウォーキングが行える歩道の整備
医療計画に含まれないのはどれか。
医師国家試験 第109回 B-18 (2015/平成27)
- a:監察医の確保
- b:救急医療の確保
- c:基準病床数の設定
- d:二次医療圏の設定
- e:地域医療支援病院の整備
- 解答を見る
-
- a:監察医の確保
- 正しい。(含まれない。)
- b:救急医療の確保
- 誤り。(含まれる。)
- c:基準病床数の設定
- 誤り。(含まれる。)
- d:二次医療圏の設定
- 誤り。(含まれる。)
- e:地域医療支援病院の整備
- 誤り。(含まれる。)
- a:監察医の確保
- 解答を見る
-
- a:監察医の確保
- 正しい。(含まれない。)
- 根拠法は死体解剖保存法です。
- b:救急医療の確保
- 誤り。(含まれる。)
- 「救急医療の確保」は、まさに5疾病5事業の1つなので、医療計画の内容です。
- c:基準病床数の設定
- 誤り。(含まれる。)
- 医療計画の記載事項の中心は「5疾病5事業・病床数」です。病床を1つでも増やすのであれば、その分だけ医師や看護師が必要となります。貴重なエッセンシャルワーカーを無駄にスタンバイさせるわけにはいかないため、病床の数はある程度の上限を設定して行政がコントロールする必要があります。そのため、人口規模などの数値データから入院ベッド数のMAX、すなわち基準病床数を設定することは、医療計画の重要な論点の1つです。
- d:二次医療圏の設定
- 誤り。(含まれる。)
- 5疾病5事業を提供するため、ちょうど区切りのよい地域を決めることこそが「二次医療圏の設定 」です。広すぎても狭すぎてもダメです。ちなみに、都道府県は47(三次医療圏は52)、二次医療圏は335、市町村数は1,718あります。単純計算で各都道府県に7つの二次医療圏があり(335÷47≒7)、5つの市町村で1つの二次医療圏を構成します(1,718÷335≒5)。暗記する必要はないですが、このような概数を抑えておくことは理解する上でも大切です。
- e:地域医療支援病院の整備
- 誤り。(含まれる。)
- 地域医療支援病院は「救急車の主なの受け入れ先」と「大学病院ほどではないけど、紹介が必要な患者さんへの医療」がメインの役割です。できれば二次医療圏に1箇所はほしいので、医療計画でも記載されています。令和3年10月時点で633病院あり、二次医療圏は335あります。多くの二次医療圏には地域医療支援病院がありますが、例えば沖縄県の「宮古二次医療圏(宮古島市・多良間村)」には地域医療支援病院はありません。
- a:監察医の確保
ヘルスプロモーションで重要な活動はどれか。
医師国家試験 第107回 B-06 (2013/平成25)
- a:救急医療機関への搬送体制の整備
- b:行動変容による生活習慣の改善
- c:検診による疾病の早期発見
- d:予防接種による免疫の付与
- e:医療保険制度の導入
- 解答を見る
-
- a:救急医療機関への搬送体制の整備
- 誤り。
- b:行動変容による生活習慣の改善
- 正しい。
- c:検診による疾病の早期発見
- 誤り。
- d:予防接種による免疫の付与
- 誤り。
- e:医療保険制度の導入
- 誤り。
- a:救急医療機関への搬送体制の整備
救急医療について正しいのはどれか。
医師国家試験 第107回 E-04 (2013/平成25)
- a:救急救命士は知事が認定する資格である。
- b:救命救急センターは総務省消防庁が指定する。
- c:救急指定病院数は最近10年間で増加している。
- d:休日夜間急患センターの多くは地域医師会が協力している。
- e:ドクターヘリを運用する都道府県数は最近5年間で減少している。
- 解答を見る
-
- a:救急救命士は知事が認定する資格である。
- 誤り。
- 救急救命士は「厚生労働大臣」から「免許」を受けます。
- b:救命救急センターは総務省消防庁が指定する。
- 誤り。
- 救命救急センターは「都道府県」が指定します。
- c:救急指定病院数は最近10年間で増加している。
- 誤り。
- 救急指定病院数は「減少」しています。
- d:休日夜間急患センターの多くは地域医師会が協力している。
- 正しい。
- e:ドクターヘリを運用する都道府県数は最近5年間で減少している。
- 誤り。
- ドクターヘリを運用する都道府県数は増加傾向にあります。2022年11月時点で基地病院がないのは京都府のみです。
- a:救急救命士は知事が認定する資格である。
高度救命救急センターで受け入れるべきなのはどれか。
医師国家試験 第107回 G-03 (2013/平成25)
- a:下肢の骨折
- b:肩関節脱臼
- c:急性虫垂炎
- d:重症広範囲熱傷
- e:十二指腸潰瘍穿孔
- 解答を見る
-
- a:下肢の骨折
- 誤り。
- b:肩関節脱臼
- 誤り。
- c:急性虫垂炎
- 誤り。
- d:重症広範囲熱傷
- 正しい。
- e:十二指腸潰瘍穿孔
- 誤り。
- a:下肢の骨折
救急医療について正しいのはどれか。
医師国家試験 第106回 G-11 (2012/平成24)
- a:救命救急センターは入院機能を持たない。
- b:自動体外式除細動器〈AED〉の使用には講習修了証が必要である。
- c:救急救命士は独自の判断で心停止患者に対する気管挿管ができる。
- d:ドクターヘリは、医師が搭乗する救急医療用のヘリコプターである。
- e:初期救急医療機関は、入院治療を必要とする救急患者の医療を担当する。
- 解答を見る
-
- a:救命救急センターは入院機能を持たない。
- 誤り。
- b:自動体外式除細動器〈AED〉の使用には講習修了証が必要である。
- 誤り。
- c:救急救命士は独自の判断で心停止患者に対する気管挿管ができる。
- 誤り。
- d:ドクターヘリは、医師が搭乗する救急医療用のヘリコプターである。
- 正しい。
- e:初期救急医療機関は、入院治療を必要とする救急患者の医療を担当する。
- 誤り。
- a:救命救急センターは入院機能を持たない。
正しいのはどれか。
医師国家試験 第100回 G-04 (2006/平成18)
- a:地域医療支援病院は救急医療を行わない。
- b:特定機能病院は患者の収容施設を持たない。
- c:介護老人福祉施設は公的医療保険が適用されない。
- d:介護老人保健施設はリハビリテーションを行わない。
- e:介護療養型医療施設は介護保険が適用されない。
- 解答を見る
-
- a:地域医療支援病院は救急医療を行わない。
- 誤り。
- b:特定機能病院は患者の収容施設を持たない。
- 誤り。
- c:介護老人福祉施設は公的医療保険が適用されない。
- 正しい。
- d:介護老人保健施設はリハビリテーションを行わない。
- 誤り。
- e:介護療養型医療施設は介護保険が適用されない。
- 誤り。
- a:地域医療支援病院は救急医療を行わない。
- 詳しい解説
-
- a:地域医療支援病院は救急医療を行わない。
- 誤り。
- b:特定機能病院は患者の収容施設を持たない。
- 誤り。
- そもそも「病院」とは、入院ベッド(病床)が20床以上の医療施設です。患者の収容ができない病院はありえません。まして特定機能病院は大学病院クラスの病院で、最低でも400床以上です。絶対に選んではいけない選択肢です!
- c:介護老人福祉施設は公的医療保険が適用されない。
- 正しい。
- d:介護老人保健施設はリハビリテーションを行わない。
- 誤り。
- 介護老人保健施設、通称「老健」は、リハビリメインの老人ホームです。PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の方々が日々リハビリをしてくれる場所です。ちなみに、混同しやすい「介護老人福祉施設(特養)」では、リハビリはメインではありませんが、リハビリが全く行われないわけでもありません。仮にこの問題の主語が「介護老人保健施設」ではなく「介護老人福祉施設」であっても、正解とはなりません。
- e:介護療養型医療施設は介護保険が適用されない。
- 誤り。
- a:地域医療支援病院は救急医療を行わない。
医療法に基づく医療計画で定められている事項として誤っているのはどれか。
医師国家試験 第98回 G-05 (2004/平成16)
- a:1次医療圏の設定
- b:2次医療圏の設定
- c:基準〈必要〉病床数の設定
- d:医療提供施設の整備の目標
- e:救急医療の確保
- 解答を見る
-
- a:1次医療圏の設定
- 誤り。
- b:2次医療圏の設定
- 正しい。
- c:基準〈必要〉病床数の設定
- 正しい。
- d:医療提供施設の整備の目標
- 正しい。
- e:救急医療の確保
- 正しい。
- a:1次医療圏の設定
- 詳しい解説
-
- a:1次医療圏の設定
- 誤り。
- 前提として、「医療圏」と言われたら基本的には「二次医療圏」を指します。一次医療圏は市区町村とほぼ同義で、エリアが狭いのでほとんど使うシーンがありません。逆に三次医療圏は都道府県そのものを指し、北海道だけ例外で6つに分かれています。つまりエリアが広すぎて、これも使うシーンがほとんどありません。ちょうど区切りが良いのが二次医療圏であり、裏を返すと「どのように区切りのいいエリア設定をするか」が医療計画の大切な論点となります。よって「1次医療圏の設定」はバツです。
- b:2次医療圏の設定
- 正しい。
- 5疾病5事業を提供するため、ちょうど区切りの良い地域を決めることこそが「二次医療圏の設定 」です。広すぎても狭すぎてもダメです。ちなみに、都道府県は47(三次医療圏は52)、二次医療圏は335、市町村数は1,718あります。単純計算で各都道府県に7つの二次医療圏があり(335÷47≒7)、5つの市町村で1つの二次医療圏を構成します(1,718÷335≒5)。暗記する必要はないですが、このような概数を抑えておくことは理解する上でも大切です。
- c:基準〈必要〉病床数の設定
- 正しい。
- 医療計画の記載事項の中心は「5疾病5事業・病床数」です。病床を1つでも増やすのであれば、その分だけ医師や看護師が必要となります。貴重なエッセンシャルワーカーを無駄にスタンバイさせるわけにはいかないため、病床の数はある程度の上限を設定して行政がコントロールする必要があります。そのため、人口規模などの数値データから入院ベッド数のMAX、すなわち基準病床数を設定することは、医療計画の重要な論点の1つです。
- d:医療提供施設の整備の目標
- 正しい。
- まず、医療提供施設とは、医療法第1条の2で「病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設」とされています。医療計画での意味合いとしては、5事業(周産期・小児・救急・災害・へき地)を担う医療機関の目標数値を指します。例えば大阪府の第7次医療計画の9ページを見ると、「大阪DMATを3チーム以上保有する災害拠点病院数」を目標19病院とし、平成24(2012)年度11病院だったところ、平成28年(2016)年度には18病院まで改善したことが記載されています。ちなみに、大阪府には「へき地」がないため、あえて「5疾病4事業」と記載されています。各都道府県ごとに必要な医療体制や、それに伴う施設・人材が違うという分かりやすい例です。
- e:救急医療の確保
- 正しい。
- 5疾病とは「がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患」で、5事業とは「周産期医療、小児医療、救急医療、災害医療、へき地医療」です。ここに「在宅医療」を加えるのが一般的です。5事業の1つである「救急医療」は、医療計画で定めるものの代表例と言えます。
- a:1次医療圏の設定
看護師国家試験
救急医療体制とその内容の組合せで正しいのはどれか。
看護師国家試験 第103回 AM-038 (2014/平成26)
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
- 2:第2次救急医療体制・・・高度の診療機能を持つ24時間救命救急センター
- 3:第3次救急医療体制・・・在宅当番制
- 4:広域救急患者搬送体制・・・へき地巡回診療車
- 解答を見る
-
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
- 正しい。
- 2:第2次救急医療体制・・・高度の診療機能を持つ24時間救命救急センター
- 誤り。
- 3:第3次救急医療体制・・・在宅当番制
- 誤り。
- 4:広域救急患者搬送体制・・・へき地巡回診療車
- 誤り。
- 1:初期救急医療体制・・・休日・夜間急患センター
救急医療体制とその内容の組合せで正しいのはどれか。
看護師国家試験 第99回 PM-034 (2010/平成22)
- 在宅当番制・・・二次救急
- 病院群輪番制・・・三次救急
- 救命救急センター・・・二次救急
- 休日夜間急患センター・・・初期救急
- 解答を見る
-
- 在宅当番制・・・二次救急
- 誤り。
- 病院群輪番制・・・三次救急
- 誤り。
- 救命救急センター・・・二次救急
- 誤り。
- 休日夜間急患センター・・・初期救急
- 正しい。
- 在宅当番制・・・二次救急