新専門医制度
【概要】新専門医制度とは?わかりやすく解説
【ひと言で簡単に説明】
新専門医制度とは、何ですか?
新専門医制度とは、簡単に言うと「診療科によらず統一的に専門医の認定と養成を行うことを目指して作られた制度」です。
【重要ポイント3選】
【確認問題】
新専門医制度の目的に関して、以下の選択肢の中から正しいものを1つ選びなさい。
オリジナル問題
- 1:医師の専門性を向上させるために、全国一律の試験を導入する。
- 2:医療事故を増やし、医療の質を低下させる。
- 3:専門医の資格を持つ医師のみが一定の手続きを経て医療行為を行えるようにする。
- 4:医師の研修期間を短縮し、医療現場に即戦力を供給する。
- 5:医師の労働時間を増やし、医療費を削減する。
- 解答を見る
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- 1:医師の専門性を向上させるために、全国一律の試験を導入する。
- 正しい。
- 2:医療事故を増やし、医療の質を低下させる。
- 誤り。
- 3:専門医の資格を持つ医師のみが一定の手続きを経て医療行為を行えるようにする。
- 誤り。
- 4:医師の研修期間を短縮し、医療現場に即戦力を供給する。
- 誤り。
- 5:医師の労働時間を増やし、医療費を削減する。
- 誤り。
- 1:医師の専門性を向上させるために、全国一律の試験を導入する。
【具体例】イメージを掴む
例として、内科専門医を取得した後に、サブスペシャルティとして循環器専門医を取得パターンがあります!
- 内科専門医
- 内科領域
- 循環器
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【解説】詳しい説明でしっかり理解
新専門医制度は、2018年4月から始まりました。従来の専門医制度では、専門医プログラムを受けている医師を後期研修医と呼んでいました。一方、新専門医制度では、専攻医と呼びます。
そもそも専門医とは?
専門医とは、一定の経験を積み、標準的で適切な診断・治療を行うことができる医師のことです。通常、医学部卒業後2年間臨床研修を行い、その後の3~5年間で専門医の資格を取得します。つまり、専門医は最短でも医学部卒業後6年目以降の医師です。自分の興味がある科について専門医を取得するため、内科専門医、整形外科専門医という様に、診療科毎に分類(後述)されています。医師免許とは異なり、専門医資格は原則5年ごとの更新性となっています。
専門医というと、テレビに出てくるようなゴッドハンド等をイメージしたくなるかもしれませんが、これは全くの誤りです!専門医は、自分の専門領域を決めて一定の研修を行ない、認定試験に合格した医師全てを指します!
新専門医制度設立の経緯
従来の専門医制度は以下の問題を抱えていました。
- 専門医は各学会が認定しており、基準が統一されていない
- 国民にとって専門医制度が分かりにくい
- 地域偏在・診療科偏在の原因となる
こうした経緯を受け、第三者機関である日本専門医機構が発足しました。専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行うことで、専門医の質を担保しようとしています。
新専門医制度の内容
- 基本領域+サブスペシャリティの二段階制度を取っています。まず、基本領域19個の中から1つ研修を行い、専門医の取得を行います。その後、サブスペシャリティ領域からさらに研修を行うことで、その専門医資格も取得することができます。つまり、サブスペシャリティだけを取得することはできません。
- 専攻医として採用されている基幹病院と、関連病院をローテーションする必要があります。これにより大都市圏で採用されても、一定期間、地方の関連病院で研修を行うことが必要になる場合があります。
- 医師の地域偏在を解決するため、シーリングという制度が導入されました。これは、大都市における専攻医の募集人数に上限を設けることで、地方での採用を誘導する仕組みです。
基本領域(19領域)
内科 | 小児科 | 皮膚科 | 精神科 |
外科 | 整形外科 | 産婦人科 | 眼科 |
耳鼻咽喉科 | 泌尿器科 | 脳神経外科 | 放射線科 |
麻酔科 | 病理 | 臨床検査 | 救急科 |
形成外科 | リハビリテーション科 | 総合診療 |
サブスペシャリティ領域(24領域) (令和4年4月1日現在)
消化器内科 | 循環器内科 | 呼吸器内科 | 血液内科 |
内分泌代謝・糖尿病内科 | 脳神経内科 | 腎臓内科 | 膠原病・リウマチ科 |
消化器外科 | 呼吸器外科 | 心臓血管外科 | 小児外科 |
乳腺外科 | 放射線診断 | 放射線治療 | アレルギー |
感染症 | 老年科 | 腫瘍内科 | 内分泌外科 |
肝臓内科 | 消化器内視鏡 | 内分泌代謝内科 | 糖尿病内科 |
- 研修制度の改革: 新専門医制度では、研修プログラムが見直され、より実践的なカリキュラムが導入されます。これにより、研修医が専門医になるまでの期間が短縮されることが期待されています。また、研修医に対する指導体制も強化され、質の高い教育が提供されるようになります。
- 評価・認定の導入: 新専門医制度では、専門医の資格を維持するために定期的な評価・認定が必要になります。これにより、専門医のスキルや知識が常に最新のものであることが保証され、医療の質が向上することが期待されています。
- 継続教育の推進: 新専門医制度では、専門医に対して継続教育が義務付けられます。これにより、専門医は定期的に専門知識や技術を更新・向上させることが求められ、医療の質が維持・向上されることが期待されています。
【データ】数値で現状を確認
【定義を確認】
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専門医を「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義。
厚労省資料より
(「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するものではない。)
【Q&A】専門医制度に関するよくある疑問・質問まとめ【FAQ】
【関連キーワード】
・臨床研修
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【参考サイト】
【ドラマ・漫画】
【国試対策】国家試験の過去問解説
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医師国家試験
病院の質を測定する臨床機能評価指標〈クリニカルインディケーター〉は、①ストラクチャー(病院が有する基盤)、②プロセス(提供される医療の内容)、③アウトカム(提供された医療の成果)に分類される。
アウトカムに該当する指標はどれか。医師国家試験 第108回 F-13 (2014/平成26)
- a:専門医数
- b:患者満足度
- c:年間総手術件数
- d:服薬指導実施率
- e:最寄駅からの距離
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- a:専門医数
- 誤り。
- b:患者満足度
- 正しい。
- c:年間総手術件数
- 誤り。
- d:服薬指導実施率
- 誤り。
- e:最寄駅からの距離
- 誤り。
- a:専門医数
限られた医療資源を効率的に活用する方策はどれか。
医師国家試験 第104回 B-05 (2010/平成22)
- a:専門医の養成
- b:多職種間の連携
- c:大病院への受診誘導
- d:自己完結型
- e:急性期病院の病床数の増加
- 解答を見る
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- a:専門医の養成
- 誤り。
- b:多職種間の連携
- 正しい。
- c:大病院への受診誘導
- 誤り。
- d:自己完結型
- 誤り。
- e:急性期病院の病床数の増加
- 誤り。
- a:専門医の養成
母体保護法に基づく人工妊娠中絶で正しいのはどれか。
医師国家試験 第99回 D-15 (2005/平成17)
- a:妊娠24週未満に適用される。
- b:20歳未満の実施はまれである。
- c:産婦人科の専門医が行うことができる
- d:胎児に致死的な変化が認められる時に適用される。
- e:実施時期は妊娠12週までに行われる頻度が90%を超える。
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- a:妊娠24週未満に適用される。
- 誤り。
- b:20歳未満の実施はまれである。
- 誤り。
- c:産婦人科の専門医が行うことができる
- 誤り。
- d:胎児に致死的な変化が認められる時に適用される。
- 誤り。
- e:実施時期は妊娠12週までに行われる頻度が90%を超える。
- 正しい。
- a:妊娠24週未満に適用される。
看護師国家試験
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