介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
【概要】介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは?わかりやすく解説
【ひと言で簡単に説明】
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、何ですか?
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、簡単に言うと「医療ケアのほとんど必要ない要介護高齢者が介護を受けられる生活施設」です。
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介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)のアウトライン
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、医療ケアのほとんど必要ない要介護高齢者が介護を受けられる生活施設です。入所者は、入浴、食事等の介護や、日常生活・療養上のお世話、機能訓練、などを受けることができます。
特養の歴史は古く、1963年の老人福祉法の制定に伴い創設されました。日本の高齢化の進行にしたがって介護需要が増加し、2000年に介護保険法が施行され、特養が介護老人福祉施設としての認可も受けることになりました。当初は、要介護者全てが入所することができましたが、介護需要の高まりにより特養への入所待ちが常態化してきました。そのため、平成27年より、特養への新規入所は原則要介護度3以上に限定されています。要介護度1、2の方でも以下のような条件を満たす場合は、特例的に入所が認められています。
- 認知症により、日常生活に支障を来たし、在宅生活が困難な場合
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来たし、在宅生活が困難な場合
- 家族等による虐待等によって、心身の安全・安心の確保が困難な場合
- 家族等による支援が期待できないことに加え、地域での介護サービスも十分に受けられない場合
現在でも入所待ち問題は解消しておらず、2~3年入所まで待つことも多いと言われています!入所待ちをしている人は、全国で数十万人いると言われています!
特養の入所待ち問題
特養は何年も入所待ちをするそうですが、なぜですか?
特養の2つの特徴が原因として考えられます!
【原因1】入所期間が長い
入所待ちを引き起こす原因の1つとして、入所者の平均在所期間が他の介護保険施設より圧倒的に長いことが挙げられます。例えば、介護老人保健施設(老健)の平均在所期間は10ヶ月程度ですが、特養では約3.5年となっています。これは、医療的ケアをほとんど必要としない要介護者が入所の対象となっているためです。入所者の大半を、70代後半以上の大きな病気を持たない寝たきり高齢者が占めており、天寿を全うするまで特養でお世話になる人が多くいます。実際、特養退所者の退所理由の約70%を死亡が占めています。
特養は医療提供体制をほとんど持たないため、入所中に医療が必要となった場合は、退所を迫られることがあります!そのため、死亡を除く退所理由のほとんどが医療機関への入院となっています!
このような現実があり、特養における看取りや医療ニーズは年々高まってきています。これを受け、2012年4月より、一定の研修を受けた介護福祉士等は軽微な医療行為を行うことができるようになりました。また、2018年の介護報酬改定では看取りに対する加算が手厚く評価されることになりました。
2025年には団塊の世代が75歳となるので、特養に対する需要がますます増加することが見込まれています!
【原因2】利用料金が安い
入所待ちを引き起こしているもう1つの大きな要因として、特養の利用料金の安さが挙げられます。特養のように施設に入所して24時間介護を受けることができる、介護付き有料老人ホームと比較を次の表に示します。
特養 | 介護付き有料老人ホーム |
---|---|
数万円〜10万円台 | 数十万円〜数百万円 |
毎月100万円以上することもあるの?!
さすがに、数百万円するのは高級介護付き有料老人ホームで、普通のグレードのものは数十万円で入居することが可能です。そうはいっても、特養が数万円で済むことを考えると、利用者本人や介護を行う家族にとっては非常にありがたいですよね。実際、低所得者が特養の入所者全体の約70%を占めています。その他の介護施設を利用する余裕がある人は、入所待ちを嫌って特養以外の施設に入所することも多いようです。
【追記】本当に入所待ちは必要?
最近は比較的早く特養に入所できるようになったと聞いたんですが、本当ですか?
本当です!最近では早ければ1、2ヶ月程度で入所できることが多いです!理由として次の2つがあげられます!
- 特養以外の介護施設が増えている
- 特養のベッド数より介護付き有料老人ホームのベッド数の方が増えてきています。そのため、経済的に余裕のある方は、すぐに入所できる老人ホームを積極的に利用されています。
- 要介護度の低い段階で入所する人が増えている
- 特養には要介護度3以上で入所ができますが、多くの特養では要介護度4、5の人を優先して入所させています。
- しかし、一般的に、要介護度2くらいになってくると、自宅で家族で介護をするのが困難になってきます。そのため、特養に入れない段階で、介護付き有料老人ホームへ入所してしまい、そのままそこへ住み続ける人が多くなっています。高齢になると、住み慣れた環境を変えることは認知機能などの悪化リスクとなるため、特養に住み替えることを避ける人も多いようです。
そのため、特養には意外と早い段階で入所できるようになりました!特養は入りづらいからなぁ…と敬遠せず、一度問い合わせてみることをお勧めします!
特養の種類
特養は、居室の形態により以下のように大きく2つ、細かく4つに分類することができます。
- ユニット型
- ユニット型個室:完全個室
- ユニット型個室的多床室:簡易的な壁等で仕切られた個室
- 従来型
- 従来型個室:完全個室
- 従来型多床室:部屋をカーテン等で仕切った大部屋
ユニット型とは、リビングスペース等の共用空間を設けてあり、家庭に近い空間で生活できるものです。1つのユニット(グループ)に、入所者を10人以下としてケアを行います。介護職員は、ユニット単位で配置されています。
従来型とは、病院の病室をイメージしてください。廊下に沿って個室が配置されており、食堂などの共用空間は施設全体で共有利用となっています。病院のように、多数の介護職員で多数の入所者のケアを行います。
今後、特養を新設していく場合は原則ユニット型としています。団塊世代が後期高齢者となる2025年度に向けて、定員ベースで70%以上をユニット型にするように推進されています。
特養の中で定員が29名以下のものは、地域密着型介護老人福祉施設(地密型特養)と呼ばれます!これは、施設サービスではなく、地域密着型サービスとなるので注意しましょう!地密型特養を利用するための介護サービス名は、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護です!頭がクラクラするほど漢字が並んでいますね…
【余談】「介護老人福祉施設」vs「特別養護老人ホーム」
実は、介護保険法における介護老人福祉施設と、老人福祉法における特別養護老人ホームには、非常に細かい違いがあります。先述したように、施設としては全く同じものを指しているのですが、利用対象となる人に少し違いがあります。介護保険法でも老人福祉法でも、要介護者が利用対象となる点は同じですが、老人福祉法の対象者はこれに一部の人も対象に加えています。それは、やむを得ない事由により、放置しておくと生命や身体に関わる危険性が高いと予測される高齢者です。やむを得ない事由の具体例としては、次のようなものがあります。
- 高齢者の判断能力が低下し、必要なサービスが利用できない場合
- 高齢者虐待を受けている場合
こうした場合は、要介護認定を受けていない場合でも、老人福祉の一環として特養を利用することができます。その場合、要介護認定がない人では、老人保護措置費として全額市町村によって賄われます。
【データ】数値で現状を確認
【定義を確認】
- タップで確認
-
この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム(入所定員が三十人以上であるものに限る。以下この項において同じ。)であって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。
介護保険法第8条の1特別養護老人ホームは、第十一条第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護福祉施設サービスに係る施設介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を入所させ、養護することを目的とする施設とする。
老人福祉法第20条の5
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